田んぼアートの里ブランド化推進協議会(観光いちご園)

温泉熱を活用した、環境にやさしいクリーンないちごの通年栽培

エネルギー種別


その他

田んぼアートの里ブランド化推進協議会(観光いちご園)

取組経緯・内容

 田んぼアート第1会場に隣接して、温泉熱を活用した省化石燃料の観光いちご園を新たな周遊観光スポットとして設置することで、田んぼアート来場者の滞在時間と消費機会を増やし、同村の農業振興につなげる取組である。
【ハウス運営】
①利用期間:夏・冬いちごの組み合わせで周年 ②利用時間:通日
③観光いちご園:週2日開園(水・日)
④ハウス栽培に使用する温泉:「田舎館老人憩いの湯」より引湯
 湯温:44度 湯量:毎分150リッター
⑤ハウス内設定温度:最低5度以上(生育適温25度
【全体事業費】5,500万円(全体計画12,500万円)
【施設整備費】
①ハウス:1棟当たり250~300万円
②ハウス内高設栽培施設1棟当たり200~250万円
③温泉引湯管:敷設費1棟当たり100万円
④養液装置:1基当たり200~250万円
     

効果等

 通常のいちごハウス栽培は、ハウス1棟に加温機(約100万円)と年間20万円~30万円の灯油代が発生する。5棟のうち、冬期間にいちご栽培をしているのは3棟であり、温泉熱を利用することで、揚湯ポンプ電気代として全体で毎月10万円が発生するも、ハウス1棟につき石油ストーブ1台(業務用6万円程度、現在2棟のみ導入済)と年間3万円程度(2棟分)の灯油代で済むことから、加温機で1棟当たり90万円程度、灯油代で年間で70万円前後の節減となる。
 廃湯を消雪に活用でき、除雪作業の軽減に寄与している。
 厳寒時でも湯を常時供給することで夜間のハウス管理が必要なくなった。 

課題

 40度の湯温では、いちご栽培に必要な温度が冬期間の曇天時では確保することが困難であり、補助的に石油ストーブを使用する必要がある。ただし、温泉水配管を培地ベット近くまで上げて配管したり、ビニールで高設栽培施設のベット下を覆う通称スカートを履かせたり、不織布による被覆などにより、外気温が氷点下15度、ハウス内温度が氷点下3度でも、不織布被覆内の温度が5度前後で、いちご栽培に必要な夜間の温度が5度であり、夜間の温度に関する懸念は払しょくできるものと思われる。
 日中は、源泉管理の「田舎館老人憩いの湯」の温泉使用量により、タンクに一定量の湯が溜まらず、モーターが自動停止するため、ハウスに送湯できない時間がある。

今後の展望

 今後、ハウスを5棟から17棟に増棟する計画であり、スケールメリットを活用して、1棟当たりの温泉水をくみ上げる電気料を抑え、更なるコスト低減が期待できる。
 また、この取組を将来的な田舎館村の地域商社設立に向けた動きにつなげていきたい。

活用施策

平成28年度:地方創生加速化交付金、平成29年度:地方創生推進交付金

写真

いちごハウス内

いちごハウス外

波及効果

 温泉熱を活用した環境にやさしいクリーンなイメージを宣伝し、国内外の団体観光客誘致が期待できる。現に、県外から視察に訪れたり、台湾からいちご狩りについて問い合わせがあったり、地元大学との栽培に関する試験研究が計画されている。
 また、報道機関からの取材を通して観光や農業振興に温泉水を活用した当協議会の取り組みが浸透し、省化石燃料を目指す関係団体の研修が増えるものと思われる。

詳細情報

事業者名 田んぼアートの里ブランド化推進協議会(観光いちご園)
所在地 田んぼアートの里ブランド化推進協議会
〒038-1121
南津軽郡田舎館村大字畑中字藤本159-1
実施場所 〒038-1113
南津軽郡田舎館村大字田舎舘字中辻4-1 外
代表者 会長 鈴木 孝雄
担当 田んぼアートの里ブランド化推進協議会 佐藤 伸男
電話番号 0172-55-6016
ファクス 0172-55-6026
ウェブサイト https://www.oishii-inakadate.jp
設立年月 平成28年8月
従業員数 6名(臨時職員3名、アルバイト3名)(平成30年3月1日現在)
規模 ハウス棟数:5棟(17棟予定)
温泉タンク容量:4トン
引湯管距離(送湯モーターから排湯口まで):500m未満
取組期間 平成29年11月~
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